鍾乳洞で福祉探検会を開催

視覚障害者と健常者が鍾乳洞を歩く福祉体験

最近、福島県田村市にある「あぶくま洞」で視覚障碍者と健常者が共に鍾乳洞を歩く福祉体験が実施されました。この体験活動は、あぶくま洞が発見されてから50周年目を迎えるため、その記念事業として行われています。この体験会の本番は7月~9月にかけて開かれる予定で、の前準備として行われています。

鍾乳洞は、石灰洞(せっかいどう)とも呼ばれているように、地下水の浸水によって石灰岩が表にでている洞窟で、基本的に湿気が多く、滑りやすいのが特徴です。また、洞窟という点から薄暗く、場所によっては視界が狭くなってしまうところも。

鍾乳洞の中を視覚障害者と健常者がある一緒に歩く福祉体験では、「暗闇」を共にし、お互いの世界をできる限り近づけ、目の見える人に視覚障害者への気持ちや接し方を学ぶことを目的に実施されています。

福祉関係者や新潟大学探検部に所属する学生がケイビング活動の一環として参加しています。この活動では、目に障害をもつ中学校の教師が盲導犬を連れて健常者と一緒にあぶくま洞の中を確かめました。

あぶくま洞は、1969年(昭和44年)にはじめて発見され、翌年に日本大学の探検部が参加。洞窟内を探索しています。

新潟大学の探検部

新潟大学探検部は、国立新潟大学の中にある、サークルの1つです。
新潟大学はこうしたサークル活動が活発な他、留学生の受け入れ体制を整えたり、地方から入学してくる学生も多いため新潟県内に学生マンションを設立するなど、学生がよりよい生活を送れるようにサポートをしています。

サークルの活動では、クライミングやラフティングなど、主に自然環境を体験でき、1週間に1度のペースで活動が行われています。
探検部に所属する部員数は2018年時点では70名ほど。性別に関係なくサークルに入部できます。中には留学生も探検部の活動に参加しています。
近年ではボルダリングが女性に人気が出ていることから、探検部に入部を考える女子学生も多いでしょう。

「Push The Limit!!」という言葉を理念にあげ、1976年から活動開始。社会人になってからは時間の問題で難しい活動を学生の内にたくさん経験しようという考えのもと行われているようです。

日本地底探検協会と共催

視覚障碍者と健常者が鍾乳洞一緒に歩く福祉体験会では、新潟大学探検部をはじめNPO法人日本地底探検協会や日本洞窟探検協会が共同で主催しています。新潟大学探検部では、あぶくま洞の探検ツアーを考案し、具体的なスケジュールを記載してその参加者を募っています。

あぶくま洞までの場所がわからない方のために、あぶくま洞が公式サイトで紹介している「あぶくま洞へのアクセス方法」で、動画をみながら道のりに沿ってあぶくま洞までのルートを辿れますので、気になる方は参考にしてみるとよいかもしれません。