リハビリに通うほど「通貨」をもらえるデイケアを開始

リハビリを頑張る人に施設内通貨をあげるというアイディア

どの介護施設でも、利用者が積極的にリハビリに参加して身体機能の回復を進めてほしいという願いを持っています。
しかし、実際にはなかなかリハビリを積極的に行うというのは難しく、モチベーションを持つのが一つの課題となっているのです。

その解決策として、広島県にある通所リハビリテーション事業所「白木の郷デイケア」では、リハビリに参加した人に施設内で使える通貨、「ベーネ」をあげるという取り組みをしています。
施設に来るだけで200ベーネもらうことができ、作業療法士が実施するリハビリプログラムを受けると、さらに100ベーネがもらえるなどとなっていて、お小遣いを貯める感覚でリハビリを受けて通貨をもらうことが可能です。

その通貨は、施設内のいろいろなところで利用できるようになっています。
マッサージを受けたり、フラワーアレンジメントの教室などの講義料、売店での飲食料などに使うことができて、実用的な価値があるというのが受けているのです。

それぞれの状況に合わせたデイケアができるようにしている

この施設では、以前は一日あたり10人程度しか利用者がおらず、なかなか稼働率が伸びないという悩みを抱えていました。
そこで、様々なリハビリ用のマシンを取り入れて、利用者それぞれの身体的な状況に応じたプログラムを実施できるようにしています。
そうすることで、負担の少ないリハビリができますし、リハビリをすることによって分かりやすい効果がもたらせるというメリットもあります。

それに加えて、この施設内通貨の取り組みをすることによって、より施設に来やすく、リハビリを受けやすくしました。
リハビリは気持ちが乗らないと利用者があまり来てくれないという課題がありますが、この二つの取り組みをすることによって、高齢者の方のやる気が高まるというのが狙いです。

通貨の取り組みによって利用率がアップした

この施設では、リハビリプログラムそのものの充実と、この通貨の発行によって、大きな稼働率の向上を見ることができました。
施設開始当初は平均10人程度だった利用者数が、今では30人を超えるまでになっていて、目に見える大きな成果を収めています。
また、施設利用者も楽しんでデイケアに来るようになり、リハビリをすることが楽しいと思えるようになっているというのも、一つのメリットだと言えるでしょう。

一度来るだけでなく、通貨を貯めるために定期的に訪れリハビリをしていくという良い流れができていて、長期的な効果も生み出しています。
これからさらに、こうした利用者のモチベーションを高めるアイディアを実行して、より多くの人が、より楽しくデイケアを利用できるようにしていくことが期待されています。