介護の外国人実習生の受け入れ方について

介護分野への外国人実習生の受け入れがスタート

2017年に、介護分野における外国人実習生の受け入れがスタートしました。
今までにない新しい取り組みですので、現在はどのような課題があるのか、どんな効果があるのか、それぞれの施設がどのように対応しているのかなどを確認し、これからの改善に役立てるという段階にあります。

介護業界では深刻な人手不足に悩まされていますので、それを救うために大きな助けとなる制度として、介護事業者は強い関心を抱いています。
一方で、日本語の習得状況や、日本の文化や国民性に合わせられるのかという不安があるのも事実です。
特に介護の分野では、要介護者の健康と命に関わる業務もあるため、きちんとしたスキルとコミュニケーション能力がないといけません。

外国人実習生の受け入れでは、日本語試験N4のレベルに達していることが、そもそもの入国条件ですので、ある程度の日本語は習得しています。
しかし、現場でのコミュニケーションはかなり高度となりますし、発声が難しい高齢者への対応もありますので、聞き取りが難しいなどの問題もあるでしょう。

まだまだ外国人実習生の受け入れは少ない状況

まだこの制度がスタートしたばかりということもあって、全国的に見ても外国人実習生の受け入れをしている介護施設は少なめです。
ある調査では、全体の3割程度の施設が外国人を受け入れているという統計が出ています。
しかし、それらの施設でも、外国人従事者の8割近くが日本定住者となっていて、外国人実習生の受け入れ割合はかなり少ない状況です。

まだ、様子見をしている介護施設が多いというのが現状です。
実際に外国人実習生を受け入れるためには、いくつかの手続きが必要となりますし、日本語教育をするためのプログラムも作る必要があります。
また、一から介護について教える必要もあるため、毎日の業務でいっぱいの施設には余裕がなかなかないとも言えるのでしょう。

人手不足解消には期待がかかる

このような状況が現実には見られるものの、外国人実習生の介護分野での受け入れには好意的な介護施設が多い傾向にあります。
というのも、日本では定常的に介護スタッフの人手不足が起こっていますので、楽にスタッフをいつでも確保できるとは限らないからです。
外国人実習生は、その技能を覚えるために来日しているため、技能習得のために一生懸命学習し、働いてくれますので、事業所としても助かるというメリットがあります。

言語などの障壁があるとはいえ、介護業界の深刻な人手不足を解消するための大きな助けとなりますので、これからの動きに注目です。
実際に受け入れている施設も次第に増えてきていますので、この流れが続くことが期待されます。