新調理システムで味が安定

介護老人保健施設で採用される新調理システム

京都市にある社会福祉法人の「友々苑」では、従来の調理、配食システムとは異なる新しいタイプの調理システムを採用しています。

以前は、多くの介護施設が持つ制度、つまり給食調理会社に食事を外注するという方式を採っていました。
この方法では、どうしてもペースト食などにすると、見た目が悪くなってしまうという問題があったのです。

また、同じ料理でも手に入る食材や作る人によって味の違いが出てしまい、味の安定性に欠けるというのも大きな課題でした。
これらの問題は、委託する調理会社を変えても同じで、根本的な解決が出来なかったのです。

そこで、日清医療食品株式会社で開発したクックチル方式で調理したものを試すことにしました。
調理、冷却された食材を専用の機器で温め直すだけで提供できるというのが大きな特徴です。

より安定した料理を出せるようになった新調理システム

この新調理システムを使うことによって、大きなメリットが生まれています。
同じように見える食材でも、特殊な加工によって柔らかさを与えることができるようになっているため、見た目を美しく保ちながらも、誤嚥を防げる料理に仕上がっているのです。
特に繊維質が硬めの食材などは、従来だと極刻みにしても人によっては誤嚥のリスクがあったものの、この新システムでは刻まなくても、食材そのものが柔らかいため歯茎で潰せて食べられるようになっています。

そして、システマチックな調理方法を採っているため、日によって料理の味が違うということもなく、安定した味の料理を毎日提供できるようになりました。
施設側としては、あらかじめ調理されている食材を混ぜたり再加熱したりするだけですので、かなり作業が減り楽になっているというのも利点です。

安全性やコストの面でも安心できる

しっかりとしたシステムで作られていることや、調理場での作業が大幅に減っていることなどから、食中毒のリスクを大幅に下げられるというのも、この新調理システムの良いところです。
調理をするスタッフも安心して仕事ができますし、勤務時間の短縮にもつながっています。
ちょっと料理に工夫を加えたい時には、食材の上から照りを入れる調味料を付けたり、飾りつけを足したりできるので、イベント料理にも対応できるのも魅力です。

光熱費の削減や人件費のカットなどができるようにもなっていますので、施設側にとってもメリットは大きく、導入コストを考えても従来型のシステムと同じくらいの経費でできる試算となっています。
大きなメリットをいくつも得られるのに対して、コストはほぼ同じとなりますので、導入する価値が十分にあったと言えるでしょう。