福岡市社協が空き家マッチング!福祉転用へ

福岡県で始まった新しい取り組み

福岡エリアで、「社会貢献型空き家バンク事業」という試みがスタートしています。
これは福岡市社協が主体となって行っている事業で、空き家になっている建物を改修して、福祉施設に転用するというものです。

特に不動産会社が紹介するような、一般的な不動産情報には掲載されない空き家をそのままにするのではなく、有用な目的のために使うという考えで、特に施設の充足が求められている福祉施設に転用するという内容です。
空き家はエリア内に相当数ありますが、実際には全く使用される見込みがないものも多いので、そこを有効活用するために、この事業を用いることができます。

オーナーにとっても福祉関係者にもありがたい事業内容

この事業は具体的には、地域住民から空き家情報を集めて、その物件を現地調査して利用できるか、という判断を下すことから始めます。
基本的には既存の建物を改修して使うということを前提としていますので、古いなどの理由で解体をしないといけない建物は対象外です。
建物が使えると判断されれば、必要とされる福祉施設のリストをチェックしながら、どんな施設にするかを検討していきます。

実際に計画が進んでいく中で、必要な役所での手続きや書類作成、関係者との協議などを福岡市社協がメインとなって進めていきます。
不動産オーナー、福祉関係者、行政機関の仲介をしていくというのが福岡市社協の重要な役割です。

この事業の背景には、このエリアに空き家、しかも不動産情報にも掲載されないものが多く、老朽化が進んでしまっているという状況がありました。
また、福祉施設の不足が生じているものの、新規建設が難しいため、改修によって施設を持てるような物件を見つけるのが難しいという事情もあります。
この不動産オーナー、福祉関係者の双方にとってメリットのあることで、無駄な空き家の減少、福祉施設の充足という両方を成し遂げられることになるでしょう。

相続物件などを効果的に利用できるようになっている

実際に扱った案件として、故人が建物を福祉目的に使ってほしいという遺志を残していたものの、相続に関する法令などの複雑さがあり、苦労していたオーナーの事例があります。
福岡市社協が福祉施設や行政機関との連絡をすると共に、関係する法令に関する相談業務を行うことによって、スムーズに実行できたという成功例です。

徐々にこうした事例が増えてきていて、これから事例が増すにつれて、より効率的な処理ができるように、具体的なマニュアルが作られていくでしょう。
法令関係や関係する企業や行政機関との連携がスムーズになることで、より短期間、低コストで新しい福祉施設を作れるようになることが期待されています。