社会福祉士

社会人

相談役というポジション

それでは、社会福祉主事の記事のなかでも、児童福祉司の記事のなかでも登場した「社会福祉士」という仕事について改めて紹介します。
まずは、この仕事がどのようなことを行う仕事なのか、ということについて大まかに見てみましょう。
社会福祉士の仕事を一言で表すのであれば「福祉サービスの相談役」ということになります。

それぞれの人によって、必要となる福祉サービスは違っており、自分がどのような福祉を受けることができるのか、ということを完璧に把握している人は多くありません。
こういった人達を対象にして受けることができる適切な福祉の相談をする、というのが主な仕事となります。
通常福祉というのは「児童福祉」や「老人福祉」「障害者福祉」のようにいくつかの専属のカテゴリーに分かれているものですが、社会福祉士はこれらの福祉全般を扱うことになる「幅広い仕事内容」であることが特徴的です。

そのため、福祉についてであれば様々な分野について精通していなければなりません。
例えば介護福祉の精度や、障害者自立支援制度、福祉施設への入居の仕組み、要介護認定の方法など、仕事の内容は多岐に渡ります。
広く深い知識をもっていなければ、社会福祉士としての相談の仕事を全うすることが出来ません。

このように幅広い知識を必要とすることから、社会福祉士になるためには国家資格である社会福祉士試験を合格する必要があります。
ただ、この社会福祉士試験には、「独占業務」が存在しているわけではありません。
つまり、この資格がなければ出来ない仕事があるわけではない、ということになります。

あくまでも社会福祉士を名乗るために必要資格だと考えて頂ければ良いでしょう。
もちろん、実力を持っている人であることを示す手段となるため、就職活動を行う場合には有利に働くことは言うまでもありません。
相談業務自体は資格を持っていなくても行うことが出来ますが、その場合には職場によって呼ばれ方が変わります。

「ソーシャルワーカー」や「ケースワーカー」などと呼ばれることもあるでしょう。
児童相談所に務める場合には「児童福祉司」となるわけです。
つまり、児童福祉司と社会福祉士は、根本においては同じ仕事だと考えて頂いて構いません。
そのために社会福祉士の資格があれば児童福祉司としても仕事ができる仕組みとなっているわけです。

資格の取得

それでは、社会福祉士資格の取得の方法について紹介しましょう。
前述の通り社会福祉士は国家資格であり、取得には条件が存在しています。
以下の4つの条件の内、一つを満たしている必要があります。

まず1つ目であるのが「福祉系大学の過程を修了すること」です。
多くの国家資格では卒業と同時に過程が修了するようになっており、社会福祉士についても同様です。

次に「福祉系の短大で過程を終了した上で、2年程度の実務経験を積む」ということが必須となります。
これは上記の四年制大学においては足りなかった部分を実務経験で補うというものです。

次に「一般の四年制大学を卒業し、一般養成施設に1年以上通学する」という方法もあります。
大学卒業後に資格の取得がしたくなった場合に利用することができます。

そして最後が「一般の短大を卒業し、2年程度の実務経験を積み、養成施設に1年以上通学する」という条件です。
いずれにせよ、少なくとも4年から5年程度の期間を掛けなければ社会福祉士としての資格を取得することはできません。

社会福祉士は、今後増えてくるであろう福祉に対する需要に対応するように、現在その登録数を増やしています。
以下に登録数のグラフを紹介します。
>>社会福祉士になるには「職業情報サイトCareer Garden」

平成16年には5万9千人前後であったのが、25年には16万人まで増加しました。
今後もこのグラフは更に増えていくことが考えられるでしょう。

日本の未来の福祉を支える要となる仕事であることは間違いありません。
是非、この機会に社会福祉士を目指してみませんか。