海外の仕事

青空

先進国に広がる高齢化社会の波

それでは、国内ではなく海外において介護というものがどのような状況になっているのかを考えてみましょう。
日本では高度な高齢化社会となっている、というのはすでにお話したとおりですが、これは日本に限ったことではありません。
フランスのように政策によって少子化を止めている例はあるものの、多くの先進諸国において高齢化は1つの社会問題となっています。
しかし、日本のように「寝たきり老人」というものが社会問題となる、というようなことは諸外国では多くはないのです。

何故このように違いがあるのかというと、それは「介護に関する倫理」の違いがあげられるでしょう。
日本においては、様々な介護を行い、長生きをしてもらうというのが倫理的に正しいものだと考えられる傾向があります。
そのために、胃瘻という処置を行い、直接胃に食事を供給するような方法で延命処置を行っています。

これに対して、介護大国として知られているスウェーデンにおいては全く逆の倫理観を持っています。
「無理に延命をするのは倫理的ではない」という考え方をもっているため、食事ができなくなったとしても点滴や胃瘻などを行って延命を行うことはしないのが一般的です。
延命を行なわず、人が人として自然死することが出来るようにする、というのが倫理的であると考えられているのです。

アメリカでの介護

それでは、アメリカにおける介護がどのようになっているのかについても見てみましょう。
アメリカではこちらで言うところの老人ホームにあたる「Nursing Home」というものがあります。
介護というよりは看護を行うという考え方のもとで行なわれているもので、看護師が直接介護を行っていることも少なくありません。

ただ、人員不足の状況は日本と大きく変わらないのが現状です。
最低限の人数で介護を行なわなければならないために、離職率が高い厳しい仕事となっています。
国内ではなく海外で介護の仕事を探す、というのも厳しい状況にあるといえるでしょう。