手話通訳士

試験

コミュニケーションを取れるようにする

福祉介護の仕事として最後に紹介するのは「手話通訳士」の仕事です。
この仕事は名前の通り、聴覚障害や言語障害などによって言葉による意思疎通を行うことができない、あるいは困難である相手と、健常者との間に入ってコミュニケーションを取れるようにする仕事となります。
健常者が言葉で話したことを手話通訳士が手話に翻訳し、逆に手話者が手話で話したことを口頭で健常者に通訳する、という具合です。

この仕事に就くためには国家資格が必要なわけではなく技術をもっていれば無資格であっても仕事をすることは可能です。
しかし、裁判や政見放送などの手話通訳においては手話通訳士の資格を取得していることが求められることになっています。
国家資格ではなく民間資格でもない、公的資格という立場を取っているもので、この資格については省令によって定められています。
資格の合格率は20%前後と、比較的難易度が高い資格であることでも知られています。

試験の内容

それでは、手話通訳士資格試験においてどのようなことが問われるのかについて紹介します。
この資格の試験は学科試験と実技試験に分かれており、それぞれで合格点を取得しなければなりません。
試験は年1回のみとなっているため、取得できなければ1年間待つことになります。

学科試験においては、障害者福祉についての基礎知識、聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳についての職業倫理、そして国語と4つの科目において行なわれます。
国語についてはそこまで高いレベルものが求められるわけではありませんが、双方の話を適切に翻訳するために必要であるとして含められています。

実技試験では聞き取り通訳と読み取り通訳という2つの試験が行なわれます。
聞き取り通訳は音声による出題が行なわれ、これを手話で解答することになります。
読み取り通訳はその逆で、手話によって出題されたものを音声によって解答することになります。